日時 |
目的地 |
所在地 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
2014年12月31日 |
文殊山(366m) 丹波岳(290m) |
鯖江市南井町/福井市角原町 鯖江市大野町/同市大正寺町 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
行動日程 |
大正寺登山口(駐車場)11:50〜11:05榎坂峠11:05〜11:10鉄塔11:10〜11:40小文殊11:40〜12:00文殊山山頂12:50〜13:20榎坂峠13:20〜14:35丹波岳山頂14:45〜15:30榎坂峠15:30〜15:50大正寺登山口(駐車場) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
参考資料 |
Web情報:国土地理院/基準点成果等閲覧サービス(三角点情報) 文献 : | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
これまでの山行記録 |
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≪注:赤枠で囲った写真にマウスポインターを当てると、ルート表示や説明が現れます。≫ 大晦日、日野山に登る計画だったが朝が遅くなったので、文殊山に予定変更。文殊山だけでは物足りないので丹波岳にも寄ることにした。丹波岳は文殊山の南東方向にある290mの低山。この山には今まで登山道がなかったが、最近地元有志が道を付けたそうで、ちらほら山行き記録も見られるので、行ってみることにした。丹波岳の登り口は大正寺コース途中の榎坂峠にあるので、大正寺登山口から文殊山に登り、帰りに丹波岳に寄ることにした。
大正寺登山口から文殊山に登るのは久し振りだ。ここは古い峠道である榎坂峠の入口で、登山口の横には日蓮宗妙真寺がある。妙真寺の寺号を見ると、「南無日像菩薩 岩題目之霊跡」と書かれてあるように、峠から福井市側に少し下ったところに、日像の真筆と言われる岩題目(南無妙法蓮華経が刻まれた大岩)がある。日像は日蓮の孫弟子に当たる人で、北陸地方に日蓮の教えを広め、多くの寺を日蓮宗に改宗させたそうだ。『現在の鯖江市大正寺町には疫病の祓いや旱魃の雨乞などで奇瑞を現わしたとの伝承があって(「日像菩薩伝記」)、文殊山麓の榎ノ木坂の大岩には日像の刻んだ法華題目が残るという』(福井県史より)。日像が布教のため、越前を訪れたのが永仁二年(1294)だと言うから700年以上昔の話だ。岩題目は今は峠道と少し離れたところにあり、その為永らく忘れ去られていたそうだが(岩題目は大正時代に再発見され、妙真寺もその道場として大正時代に建てられている)、その当時は岩題目があるところを峠道が通っていたのかもしれない。越前は真宗王国で、日蓮宗のお寺が殆どないが、鯖江・武生地区にはいくらか日蓮宗のお寺が見られるから、日像の影響なのかもしれない。上記写真に写っている石像はその日像上人のもの。
大正寺登山口には駐車場もトイレも整備されており、便利だ。既に1台車が止まっていた。登山口にも歴史を感じさせてくれる石仏・石塔がたくさん見られる。上記右側写真を拡大し、よく見てみたら、お題目の下に「五十四、日辰」との文字が見える。この後行った榎坂峠にあった案内板によれば、岩題目に刻まれた文字が日像の真筆であることを確認したのが、京都妙顕寺の54代貫主河合日辰であるそうだから、この石塔はそのときの記念碑のようだ。
この登山道は昔の榎坂の峠道を利用しており、途中からつづら折の道となっている。岩題目に至る道でもあるので、良く整備されている。
峠の手前で、林道(作業道)に出合う。以前この林道はなかった。橋立山の鯖江側の山肌に新しい林道を造っていたのは知っていたが、その林道がここまでつながっているようだ。
文殊山へは榎坂峠から左手の尾根道を上がっていく。積雪は2、30cmほどだがこのコースを歩く人は少ないようで、トレースは不完全で、歩きにくい。
50分ほどで小文殊に着く。ここからは二上から上がって来る登山道と合流するので、広いトレースが出来ていた。歩く人が多いので、雪が解けて泥濘になったところもあった。
二上登山口の駐車場にはたくさんの車が止まっていたので、たくさんの人でごった返しているかと思ったが、山頂に着いて見ると、小屋のほうから話し声が聞こえるだけで、本堂の周りに人影はない。皆さんもう下山してしまったようだ。それでも、ベンチに腰掛け、お湯を沸かしていると、何組かのパーティーが上がって来られた。
ここ数日雪は降っていないので福井市街はうっすら雪が残る程度。この日はどんよりした天気で、白山は見えなかった。山頂で、コンロに火をつけ、コーヒーを沸かし、カップ麺をすする。1時間ほど休憩し、丹波岳に向かう。
登山道から対岸に丹波岳が見えた。丹波岳は右側のピークで、隣のピークは観音ヶ岳と言うそうだ。登山口の榎坂峠に着いたが、特に登山口の標識は見当たらない。切通しの南斜面に切れ込みがあり、ピンクのリボンがあったので、そこから斜面に取り付いた。登り始めの斜面が急で、滑る滑る。枝や木に掴まり、100mほどを10分以上掛けて何とかよじ登った。道は最近整備されたばかりで、雪の下ではどこが登山道なのか解らない状況だ。ピンクのリボンが頼りだ。
この山域を歩く人は少ないようで、動物の糞が多く、動物の歩いた跡がそこら中に残っていた。人の多い文殊山とは大違いだ。途中の木の幹には熊の爪痕と思われるものが生々しく残っていた。
途中の尾根道から丹波岳が見渡せた。文殊山の登山道からは解らなかったが、丹波岳は低山にしては切り立った円錐形の姿のよい山だ。写真で見るより実際に見た丹波岳はもっと尖った鋭い印象を受けた。
丹波岳に向かう枝尾根に入ると更に動物の足跡が多く、尾根上に一本道が出来ていた。名前は解らないが、相当の老木だと思える大木が何本もあった。
小さなピークが見えてきたので山頂かと思ったが丹波岳は更に奥だった。山頂は20mほどの細長い平坦地となっていた。
山頂手前に堀切があったので、この山は昔、城砦として使われたことがあるようだ。
丹波岳の奥の尾根にも堀切があり、南斜面は切れ落ちていたから、城の立地条件としては悪くない地形だと言えるだろう。
南斜面は急だがピンクのテープがあったので、そこからも降りられるようだ。帰りは榎坂峠の取り付きが急だったので、その南斜面や近くに見えた送電線鉄塔の巡視路を使って下りようかと思ったが、下に降りても、車道を歩いてぐるっと一回りしてこなければならないので、来た道を戻った。
来たときは、道なりに進んだらそのまま丹波岳の頂上に出たので、気が付かなかったが、上記写真の地点が丹波岳と広野山の分岐だ。ここから福井・鯖江の市境尾根を進めば広野山まで行ける。こちらのほうもある程度登山道として整備されているようだ。
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