日時

目的地

所在地

2014年3月22-23日

丈競山(1045m)

坂井市丸岡町山口

 行動日程

【 1日目 】じょんころ広場(駐車場)9:45〜9:50じょんころ新道登山口9:50〜10:30じょんころ新道分岐10:40〜11:00夏道・冬道合流点11:00〜11:30大岩広場11:40〜12:20標高676mピーク12:40〜13:30北丈競山の急登手前13:30〜14:10北丈競山山頂14:20〜15:20南丈競山山頂

【 2日目 】南丈競山山頂8:10〜8:50北丈競山山頂8:55〜9:50標高676mピーク10:00〜10:30大岩広場10:30〜11:00じょんころ新道分岐11:15〜11:40じょんころ新道登山口11:40〜11:45じょんころ広場(駐車場)

 参考資料

Web情報:国土地理院/基準点成果等閲覧サービス(三角点情報)

文献  :

 これまでの山行記録

 2008.5.62011.6.162012.3.19-202013.3.19-20

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【地図の説明】 この地図はおおよそのルートをトレースしたもので、正確ではありませんので参考程度にとどめてください。最初はOpenStreetMapが表示されますが、地図の右上にあるボタンにポインターを持っていけば、「地理院地図」、「空中写真(航空写真)」に切り替えることができます。地図上の赤線が今回歩いたルートです。

≪注:赤枠で囲った写真にマウスポインターを当てると、ルート表示や説明が現れます。≫ 

春分の日の連休を利用して、恒例となった避難小屋泊り丈競山登山に出掛ける。今回で3年連続の3回目、面子も同じ三人パーティーでの登山となった。昨年は雪が少なく、まったく楽な登山だった。今年も福井県内の平野部では雪が少なかったので、楽勝だろうと思ったが、前日まで降っていた季節外れの雪が予想以上に深く、苦戦することになってしまった。。。雪山は予想が難しい。新雪が積もっていたとしても10cm位だろうと思ったが、多いところでは40cmくらいの雪が積もっていた。しかし、いくら新雪が積もっていたとは言え、もう春山登山の時期だ。気を抜かなければ、特に危険なところはなく、今回も楽しい小屋泊まり登山を堪能できた。

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龍ヶ鼻ダム

登山口がある龍ヶ鼻ダム湖の水面には波ひとつなく、ガラスのように周囲の木々や青空を映し出していた。いつもはこのダム管理棟の駐車場に車を置いて、従来の登山道から登ったのだが、最近荒れていることが多いので、奥にあるじょんころ新道登山口から登ることにした。

 

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じょんころ広場

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じょんころ新道登山口

ダム湖畔道路を1kmほど走るとじょんころ広場がある。ここの大きな駐車場に車を停めさせてもらって、歩くことにした。一昨年は湖畔道路に雪があり、ここまで車で入れなかったが、今年は昨年同様雪が少なく、道路に雪は見当たらない。昨日降った雪が芝生の上にうっすら残っている程度。広場から2、300m奥に歩いたところにじょんころ新道登山口がある。ここには福井県内では定番の電話ボックスを使った入山届出所がある。「じょんころ」の由来だが、地元の竹田地区に伝わる、じょんころ節、じょんころ踊りから来ていることは解っているが、じょんころという言葉の意味には諸説あるようだ。

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カモシカ岩

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じょんころ新道分岐(赤丸:倒れた標識)

じょんころ新道は登り始めが急なのであまり好きになれず、下山時にしか使ったことがなく、登りに使うのは今回が初めて。急坂とあいまって、昨日降った雪で地面が濡れて滑りやすい。登山口には全く雪がなかったが、カモシカ岩あたりから雪が出始めた。登山口から40分ほどで、従来の登山道とじょんころ新道の分岐に着いた。ここで小休止。このあたりでは10cmほどの積雪となったが、雪は新雪で柔らかく、歩くにはそれほど支障はなかった。

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倒木(夏道・冬道合流点近く)

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登山道の様子

分岐からすぐのところの谷状になった部分では日陰になるのか新雪の下に、根雪が残っていた。根雪が固く締まっておらず、足が沈み込んで歩きづらい。こんな状態が続くとなれば大変だと思ったが、それもほんの短い距離で、尾根に出ると根雪は消え、再度新雪だけとなった。

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大岩広場(注:帰りに撮った写真)

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マンサク

雪はあっても柔らかい新雪なので、この後も楽勝だと思ったが、大岩広場を過ぎたあたりから根雪が現れ、歩きづらくなってきた。大岩広場で昼食にしようと思っていたのだが、時間が早いし、展望もいまいちなので、ここでは少しだけ休憩し、展望の良い尾根まで出ることにした。日当たりの良い尾根筋にはマンサクの花が咲いていた。先ず咲く(マズサク)が訛って、マンサクになったとの説もあるように、マンサク以外に我々の目を喜ばせる花はなかった。

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登山道の様子

登山道がある尾根にはまだらに根雪がうずたかく残っているところがあって、それを越すのに時間が掛かった。ずっと雪が着いていれば良いのだが、固い雪がうずたかく残っているところと、そうでないところが交互に続き、そこに段差が出来ているので、登ったり下ったりを繰り返すことになって時間が掛かった。こんなに歩きづらいのは初めての経験だ。これならもっと雪が残っていたほうが歩きやすい。途中から雪が深くなってきて、足がずぼっとはまり込むことが多くなってきたので、ワカンを着ける。

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丈競両峰のそろい踏み(@676mピーク)

大岩広場から20分ほど行った所で、展望が開ける。地図に676mの標高が出ているあたりだ。ここで12時半近くになっていたので、昼食とする。ここからは北・南丈競山の展望が最高だ。

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南丈競から浄法寺山に至る吊尾根(@676mピーク)

今日は晴れの天気予報だったが、雲が多い。休んでいると、浄法寺山あたりがガスって来た。我々の頭の上にも黒い雲が出て、白いものが落ちてきた。雪がぱらついたのは一瞬だったが、この後天気が崩れてくるといやなので、休憩もそこそこに少し先を急ぐことにした。

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北丈競手前の急登

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同左

北丈競山手前の急登地点に来ると、雪がべったり着いていた。昨年は登山道の階段が露出していたが今回は全く地面が見えない。斜面には新雪だけでなく、固い根雪がずっとついていた。私が住む福井県北部の平野部では今年は雪が極端に少なかったので、ちょっと予想外だった。山の天気はホント解らない。

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福井平野の眺め(@北丈競手前の急登)

北丈競山手前の急登を登っていくと徐々に展望が開け、福井平野が一望に出来るようになる。かなり霞んでいるが日本海もぼんやり見渡せた。

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北丈競山直下の尾根の様子

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歩いてきた尾根を振り返る

北丈競山手前の急登を過ぎると、登山ルートは右に曲がり、北丈競山から西に延びる尾根筋を進むようになる。この尾根には毎回雪庇が出来ているのだが、今回はその雪庇が中途半端に張り出していて、歩きにくい。尾根筋がうずたかくなっているのだが、その幅が狭く、ナイフリッジのようになっており、その上を歩くことが出来ない。雪庇の下は崖のような急斜面となっているので、そこを避けるのが得策だが、下を歩くしかない。何とか、足場は確保できそうなのでそこを進んで行った。少し行くと、また尾根筋の雪が広くなったので、再度上を歩くことにした。この後も山頂に至るまで、尾根の雪の着き方が貧弱で、ナイフリッヂ状に細くなったところが多かったので、いつもよりは緊張感のある雪山歩きとなった。

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火燈山、小倉谷山、富士写ヶ岳

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北丈競山山頂

北丈競山山頂からは360度の展望が楽しめるのだが、白山方面は低い雲が垂れ込め、展望が利かない。見えたのは北の火燈山、小倉谷山、富士写ヶ岳だけだった。北丈競山山頂の標識が半分ほど埋まっていたから、積雪は1mほどか。このあたりでは新雪が30cmほどあり、足が沈み込んで、体力の消耗が激しく、先頭を交代しながら進んでいった。ひとりでは体力の消耗がきつく大変だろう。

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ガスが掛かった南丈競山

青空も見えのだが、天気が変わりやすく、これから行く南丈競山の上にガスが掛かってきた。しかし、雨・雪になる可能性は少なそうだった。天気予報も明日のほうが天気が良いとの予報だったので、崩れる心配はなさそうだった。

 

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北丈競山から南丈競山の稜線(赤線:くっきり現れた巻き道)

北丈競山から南丈競山に至る尾根筋も雪の着き方が貧弱で、狭くなっていたが、北丈競山直下と比べればそれほど危険なところはなく、順調に歩を進め、この日の終着点である南丈競山山頂に着いた。上の写真は南丈競山山頂近くから、今歩いてきた稜線を写したもの。毎年、この角度から同じ写真を撮っているのだが、今回大きな発見があった。北丈競山のピークをショートカットし、南丈競山に直接登る、巻き道があったと噂には聞いていたのだが、その道がはっきり浮き出ているのだ(写真にマウスポインターを持っていくと、赤線でそのルートが現れます)。その道の入口らしいものが北丈競山と南丈競山の登山道の途中にあるのは確認しているが、入口から先は全くの薮で、道の痕跡が全くないので、本当にここに道があったとは信じられなかった。これまで撮った2回の写真では解らなかったが、今回は雪の着き方がよかったのか、道跡が白くくっきり浮き出ている。いつごろこの道が使われていたのか全く解らないが、急斜面に出来たトラバース道なので崩れることが多く、維持するのは大変だったと思われる。

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避難小屋が見えてくる

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南丈競山山頂の避難小屋

南丈競山手前の急登はカチカチに凍り付いていると、滑って危ないのだが、この日は柔らかい新雪が付いていて、危険な箇所はなかった。尾根が左に曲がりだすと、傾斜も緩くなり、避難小屋の屋根が見えて来る。山頂にも新雪が30cmほどあり、1m弱ほどの積雪か。昨年よりは新雪の分だけ雪が多いが、一昨年に比べれば少ない。昨年と一昨年の中間くらいだ。

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大日山・白山方面の眺め(@南丈競山頂)

天気は大きくは崩れなかったが、雲が低く垂れ込め、展望はいまいち。白山は全く見えなかった。

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浄法寺山(@南丈競山頂)

昨年は荷物を置いて、浄法寺山まで往復したのだが、今回は着いた時間も遅かったし、浄法寺山に至る尾根筋も雪の着き方が貧弱で、細くなっており、歩きにくそうだったので、敬遠した。

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小屋内部の様子

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ホルモン焼き(とんちゃん)

小屋の内部はいつものように清潔に保たれていた。張り紙が増えていたので、ちょっと読んでみたら、この避難小屋は遭難事故があったために建てられたようだ。登山口の200m手前で力尽きて倒れていたと言うから、悲惨だ。2月で単独登山だったようだから、消耗が激しかったのだろう。今日は休憩を含め、5時間半ほどで登ってきた。体力のある人だったら、日帰りも可能だろうが、避難小屋が出来たことで、余裕のある雪山登山が可能になった。ちょっと早いが、特にやることもないので、4時半ころから夕食を始めた。ホルモン焼き(福井ではとんちゃんという)やキムチ鍋で、たらふく食った。ビールを持っていくのを忘れてしまい、ちょっと寂しかったが焼酎を雪入り水割り、お湯割で程よく飲み、程よく酔ったお陰で、寝つきの悪い私だが、今回は熟睡することが出来た。

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福井平野の夕景

夕食が一段落し、外に出てみると夕景が広がっていた。上記の写真は6時20分ころに撮ったもの。

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福井市の夜景

福井市内の夜景は相変わらずきれい。夜になって雲も取れ、星空が見えていた。

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白山と別山の間から昇るご来光

今回の収穫はご来光を拝めたこと。昨年は天気が悪かった。一昨年は天気が良かったはずだが、ご来光を拝んだ記憶がない。。。きっと寝坊しちゃったのだろう。太陽は白山と別山の中間あたりから、6時ちょっと過ぎに昇ってきた。

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固定バンドが切れたワカン

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一晩お世話になった小屋を後にする

一日目は雲が多かったが、二日目は素晴らしい青空が広がった。気温もそれほど下がらなかったと見え、雪もカチカチには凍っておらず、歩きやすい。実は前日の登りでは途中でワカンの固定バンドが切れ、つぼ足となってしまっていたのだ。10年以上履いているワカンだから、予備のバンドを買っておこうと思っていたのだが、ついついそのままになってしまっていた。そのつけがとうとう回ってきたのだが、山頂直前だったので助かった。帰りはワカンを補修したものの、また切れるといけないので、つぼ足で降りることにした。同行者がアイゼンを持っていたので緊急時にはそれを借りるつもりだったが、前日のトレースがあったので、つぼ足で十分だった。滑らなければ、何もつけないほうが軽くて楽だ。

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南丈競山直下の急坂

左記の写真は南丈競山直下の急斜面。ここが一番危険なのだが、程よく柔らかい雪が着いていたので、つぼ足でも危険は感じなかった。同行者二人のワカンの跡を歩いたのだが、足もそれほど沈まなかった。

 

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昨日のトレースが残る稜線

南丈競山から北丈競山に至る稜線には昨日歩いた跡がきれいに残っていた。これまではこれほどきれいに残っていなかったが、今回は2、30cmの新雪があったからだろう。

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北丈競山直下の尾根

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同左

雪の付きかたが貧弱で、ナイフリッジ状になった北丈競山直下の尾根も昨日のトレースがあったので、難なく通過。この後は特に危険なところもなく、のんびり雪山歩きを楽しんだ。

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丈競両峰のそろい踏み(@676mピーク)

昨日はどんより曇っていた空にも青空が広がった。日差しが強く、日焼け止めクリームを塗ったに関わらず、かなり日焼けしてしまった。

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大岩広場

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雪の消えた登山道

帰りは676mピークで休んだだけで、大岩広場を通過。大岩広場から先の登山道には新雪が消え、登山道が出ているところが多くなった。じょんころ新道分岐でしばらく休憩したが、ここから下は殆ど雪がなく、昨日とは様変わりしていた。

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じょんころ新道登山口

帰りはワカンがなかったこともあり、ゆっくり歩いたが、それでも3時間半ほどで降りてきた。これまでの登山では必ずほかの登山者にお目にかかっていたが今回は誰にも会わず仕舞いだった。昨年は湖畔道路脇の桜の蕾が膨らみ、チラホラ開花も見られたのだが、今回は全くその気配がなかったので、今年の開花は遅くなりそうだ。

 

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