日時

目的地

所在地

2016年11月2日

えんど越(荒谷越/約600m)

加賀市山中温泉市谷町/同市山中温泉荒谷町

 行動日程

蟹ノ目山(市谷八幡神社)登山口13:40~13:45斜面取り付き13:45~14:20登山道に合流14:20~14:50標高567m地点14:50~14:52きこの池14:52~15:08標高630m地点15:08~15:10ゆらの池15:10~15:25えんど越15:30~16:45蟹ノ目山(市谷八幡神社)登山口

 参考資料

Web情報:国土地理院/基準点成果等閲覧サービス(三角点情報)

文献  :

 これまでの山行記録

 

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注:この地図はおおよそのルートをトレースしたもので、正確ではありませんので、参考程度にとどめてください。最初はYahoo!地図が表示されますので、適宜地理院地図に切り替えてお使いください。地図上の赤線が今回歩いたルートです

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宿願だったえんど越を歩いてきた。えんど越は蟹ノ目山に登った時に知った峠。3度ほどこの峠に挑戦してみたが敗退していた。しかし、この度山中山岳会で新しい蟹ノ目山登山道(いちのたに新道)が開発され、それを使えば簡単にえんど越に行けることが解ったので、今回行ってみた。いちのたに新道は周回コースだが、今日は午後からの登山で、時間が限られていたので、えんど越だけに絞って出かけることにした。ネット検索をしていると、地元の新聞記事のHPに、昨日このコースで登山大会があり、大勢さんが登られたようだから、コースはしっかりしているだろうと気軽に出かけたが、市谷八幡神社の登山口からすぐのところで迷ってしまい。思いもかけない藪漕ぎを強いられてしまった。

市谷八幡神社

蟹ノ目山登山口の標識

地元大聖寺出身の深田久弥が登ったことで有名な蟹ノ目山の従来の登山口は荒谷町にあるが、新しく出来たいちのたに新道は反対側の市谷町から登るコースだ。市谷町も冬期間無人の地となる集落だが、春から秋にかけてはちらほら人が見られる。地元出身で今はほかの地に住んでいる人が通ってこられているそうだ。この日も男の方二人にお会いした。無人のはずなのに、登山口付近で携帯電話用のアンテナを立てる工事が行われていたから、要望があるのだろうか。このあたりの山では携帯がつながらないことが多かったから、登山者にとっては便利だろうが。時計の反対廻りで登るときは八幡神社が登山口。神社の前で右に折れ、山に入って行く。

ここから斜面に取り付く

登山道に合流

登り始めてすぐの上記写真のところで右折し、斜面に取り付くのが本来の登山道だが、急いでいたこともあってかその道に気付かず、直進してしまった(標識はなかったが登山道にピンクのテープがある)。数十m行ったところの斜面に踏み跡程度の道があったので、そこから尾根に取り付いた。かなりの急斜面で草木を頼りによじ登る。薄い踏み跡を追ったが、途中で道は完全になくなってしまった。昨日大勢の方が登ったにしては、これは可笑しいと気が付いたが、かなり上まで登って来てしまった。しっかりした登山道があるだろうと、今日はほとんど準備もせずに出てきたが、幸い地図だけはコピーしてきた(何か悪い予感がしたのだろうか?)ので、確認すると尾根にまで出れば何とかなりそうなので、急斜面を必死の形相で登っていった。

登山道の様子

紅葉進む山々

苦行30分何とか登山道に合流した。最近の不摂生が祟ったのか、吐き気を催すほどの急斜面だった。今日は気楽に出てきたのだが、大変な登山になってしまった。この後も体調はなかなか戻らなかった。登山道に合流してからも最初はかなりの急登だったが、途中から傾斜は緩くなり、快適な尾根歩きとなった。ここ何日か雨が降ってないので、落ち葉をサクサク言わせながら歩くことができた。樹々もかなり紅葉が進んでいて気持ちいい。

P567m

きこの池

567mのピークを過ぎると「きこの池」と書かれた小さな池が現れた。ここ数日雨は降っていないのに、小さな池にしては水がかなり溜まっている。尾根筋だが枯れないのだろうか。

尾根をまたぐ古い道跡

P630m

P567mとP630mの間の鞍部に幅の広い道跡らしきものがあった。この後も山の鞍部に痕跡は薄いが何本か尾根を跨ぐ、掘れた道跡らしきものが見られたから、このあたりは昔は山に入る人が多かったのだろう。

ゆらの池

P630mからすぐのところにもう一つ池があり、「ゆらの池」と書かれてあった。こちらのほうが先ほどの池より、広く水量も多い。

えんど越(荒谷越)

もう少し楽かと思ったが、藪漕ぎをしたこともあり、えんど越まで2時間ほど掛かってしまった。時計は3時30分を指していた。5時前には下山したいので、写真だけ撮って早々に下山することに。

えんど越全景

えんど越は掘れた峠ではなく、また山の鞍部ではなくピークを通っている。私が歩いた福井県嶺北地方・石川県加賀地方の峠としては珍しい。ここから蟹ノ目山に至る尾根筋の鞍部は標高が大きく下がっており、普通ならそちらに峠ができるはずなのに、そうはなっていない。その鞍部から荒谷に下っていく谷は地形が複雑だから、そこに峠道が出来にくかったのがその理由の一つだろうが、もうひとつはこの峠が比較的新しく造られた峠道だったからかもしれない。柳田国男の「峠の表裏理論」によれば、人が山を越えて峠道を造る場合、上りでは越そうとする山の鞍部やピークを見失わないように谷筋にルートを取り、下りでは目標となる村を見失わないように尾根筋を通ってその目的地近くまで行って急な下りになる。つまり、谷・尾根型の峠道だ。古い峠ほどその形状を持っているという。谷道のほうが表で、尾根道は裏、文明は表から入って、裏に流れたというのがその理論だ。この峠はその理論に合致していない。どう考えても、荒谷側が表で、市谷側は裏でなければならないはずだが、この峠は逆になっている。それから考えればこのえんど越は比較的新しい峠というしかないだろう。この峠は市谷の人が荒谷にあった役場に行くために使ったというから、明治以降だろう(注1)。今日歩いた尾根筋にもいくつか道跡らしきものが尾根を跨いでいたから、昔はもっと違ったルートが使われていたと思われる。

(注1)荒谷村、市谷村、今立村、大土村、上新保村、杉水村など11か村が合併し、江沼郡東谷奥村が成立したのが明治22年。役場は荒谷にあった。昭和32年、 当村と山中町、河南村、西谷村の1町3村が合併し、山中町となったが、その後山中町と加賀市が合併し、現在は加賀市となっている。

荒谷側から見たえんど越

 

蟹ノ目山

ここから蟹ノ目山に至る登山道は一旦下りになる。登山道を覗き込んだところ、急激に落ち込んでいた。その鞍部に古い峠道があったと思われる。今度、この登山道を歩くことがあれば、それを確認したい。

荒谷に降りていく峠道の痕跡

荒谷に下りていく尾根筋にえんど越えの痕跡があった。峠道はずっと尾根筋を通っていたのではなく、しばらく行って谷に下りていたようだが、市谷から谷筋を峠まで上がって来て、峠からしばらくは尾根筋を下りている。谷・尾根型の峠だ。

遠く白山を望む

峠近くは展望がよく、白山がよく見えた。この日は白くなっていなかったが、11月2日に初冠雪が観測されたそうだ。平年に比べ、16日遅いという。

古い道跡?

この白山が見える場所のすぐ下の浅い谷筋にも古い道跡と思われるものが降りていたから、この600mのピークは市谷側と荒谷側を結ぶとき、交通の要衝になった場所なのかもしれない。

夕景迫る登山道

下山時、夕日が迫ってきたが、急いだおかげで、何とか5時前には下りてくることができた。

別の登山口入口

もうひとつの登山口

いちのたに新道は周回登山道。川を挟んですぐのところに別の登山口があった。

 

 

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