日時

目的地

所在地

2016年11月2日

朽飯坂(約130m)

猫坂(約130m)

鯖江市河和田町/越前市朽飯町

鯖江市莇生田町/越前市領家町

 行動日程

寺地坂(出発地点)13:40〜13:55林道分岐(前回引き返した地点)13:55〜14:15朽飯坂14:25〜14:35林道分岐(八幡山下)14:35〜14:45朽飯坂14:45〜14:55猫坂下の林道14:55〜15:15尾根15:15〜15:18猫坂15:25〜15:30猫坂下の林道15:30〜16:00寺地坂(出発地点)

 参考資料

Web情報:国土地理院/基準点成果等閲覧サービス(三角点情報)

文献   :河和田村略図(河和田の昔話)

これまでの山行記録

(河和田の峠行記録)

赤谷峠(2016.9.21)折立峠(2015.10.27)清根坂(2016.9.21)寺地坂(2016.10.10)
樫尾坂(2016.10.10)西山坂(2016.10.21)釋導寺坂(2016.10.21)

金谷峠(2013.12.17)砥山坂(2013.12.17)

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【地図の説明】 この地図はおおよそのルートをトレースしたもので、正確ではありませんので参考程度にとどめてください。最初はOpenCycleMapが表示されますが、地図の右上にあるボタンにポインターを持っていけば「OpenTopoMap」、「地理院地図」、「空中写真(航空写真)」に切り替えることができます。地図上の赤線が今回歩いたルートです。緑線は峠道の推定ルートです。

≪注:赤枠で囲った写真にマウスポインターを当てると、ルート表示や説明が現れます。≫

鯖江市河和田地区には11の峠があり、ここしばらくそのすべてを歩きつくすことに費やしてきたが、今回残っていた朽飯坂・猫坂のふたつも踏破し、目標を達成することができた。この二つの峠も、前回の峠行(2016.10.10)で行った寺地坂・樫尾坂同様、河和田地区の南にある山並みを越える峠だ。高雄山(277m)から派生し、八幡山(229m)に伸びるこの山塊の標高は200mから300m足らず、ふもとの人々は昔は気軽にこれらの峠を越え、行き来していたのではないかと思われる。ふもとの人々はこれらの峠に親しみを感じていたようで、峠には必ずと言っていいほど、お地蔵様が祀られていた。

寺地坂のお地蔵様

林道の様子

今回もここ寺地坂がスタート地点。ここまで車で上がってきて、尾根筋に伸びた林道を歩いて峠を目指した。林道は最近手が入っており、歩きやすい。

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林道分岐(前回引き返した地点)

草に覆われた林道

前回の峠行(2016.10.10)では寺地坂・樫尾坂を発見した後、同じ尾根筋にある朽飯坂と猫坂にも挑戦したが、林道が途中から荒れだしたのと途中にある、河和田側に下りていく新しい林道を、地図に載っている林道と勘違いし、上記写真の地点で引き返していた。今回はここからさらに尾根に沿って伸びる林道を進んでいくことにした。途中から草が道を覆っているようなところもあったが、最近のものと思われる轍があったので、心強かった。この林道は高雄山から八幡山に伸びる尾根に沿って、尾根の一段下に伸びている林道で、鯖江側にある。

猫坂はここか

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林道脇に顔を出した朽飯坂

途中、ここが猫坂ではないかと思われるところがあったが、林道から峠があると思われる尾根まで少し標高差があったので、後で挑戦することにし、先に朽飯坂に行くことにした。すると、歩きだして1時間ほどで、樫尾坂同様、林道のり面に切れ込んだところがあり、それが朽飯坂の峠だった。

朽飯坂

ここにもくっきり人工的に稜線が切り取られた峠があった。峠の道幅は1mちょっとだが、稜線は3mほどは掘られている。ふもとから上がってきても標高差100m弱の小さな峠だと思っていたが、予想していた以上にその掘れ方は深い。また、朽飯側には深く掘れた峠道が残っていた。
 

朽飯坂のお地蔵様

お地蔵様が三体おられた。このことからも、この峠は使う人が多かったと思われる。
 

お地蔵様の後ろにあった古木

お地蔵様の後ろには古木があり、昔の峠の雰囲気を味わうことができた。
 

峠直下の掘れた道

峠の朽飯(越前市)側には深く掘れた道が下りていた。その道はすぐに右に折れ、下の写真に続いていた。
 

朽飯側に下りて行く道

道幅が1間(1.8m)ほどもある立派な道だ。人工的にならしているのは明らかで、大規模な土木工事が行われたように思われる。大事に整備されていたのだろう。峠道は突き当りの山の斜面で折り返し、つづら折に下りて行っていた。
 

朽飯坂全景

上の写真は峠の全景だが写りが悪い。今回の写真はピンボケが多いのでご勘弁を。
 

朽飯坂(朽飯側から河和田側を望む)

上記の写真は朽飯側から峠を見たもの、峠から林道を横切って、まっすぐ河和田側に下りていく谷筋に道跡らしきものが確認できた。そちら側にもかなり幅の広い平坦地が見られたから、1間幅の峠道があったのかもしれない。
 

林道分岐

林道途中から河和田を眺める

この峠が朽飯坂で間違いないことを確認するため、さらに林道を歩いて、地図に載っている林道分岐を確認しに行ったが、その位置から判断して、ここが朽飯坂で間違いないようだ。 
 

この斜面をよじ登る

朽飯坂を確認したので、今度は猫坂に行くことにした。朽飯坂から尾根筋を歩いて行ってもよかったのだが、猫坂にはっきりした峠の痕跡がなく、見過ごしてしまう可能性があったので、来た時に猫坂ではないかと目星をつけておいた地点まで林道を戻り、そこから尾根に取り付くことにした。上記写真に写っているのがその地点。ここから見えている尾根筋に峠があるはずなので、意を決して急斜面をよじ登ることにした。登り始めたが、この斜面に峠道の痕跡はなく、歩きにくいことこの上ない。朽飯坂から尾根筋を歩いたほうが良かったと後で後悔した。峠にはお地蔵様もあり、尾根筋を歩いてきても、見過ごす心配はなかったのだった。
 

ここから尾根に取り付く

出てきた尾根筋の様子

草や木にしがみつきながら、何とか尾根に出た。しかし、そこに峠らしきものがないので、尾根を右方面(朽飯坂方面)に歩いてみた。尾根にはしっかりした道(踏跡)があり、藪も薄く、歩きやすい。100mほど歩くと、尾根が急激に落ち込んだところが見えてきた。かなりの急坂だ。

猫坂に下りていく急坂

八角形の石

そこを下りていくと、山の鞍部に丸っぽい石が見えてきた。明らかに人工的に加工された石だ。近くまで寄ってみると、八角形をしている。石燈籠の屋根のような感じだ。

猫坂のお地蔵様

その石をひっくり返してみると二体のお地蔵様がうつぶせに寝ておられた。写真写りが悪く、一体にしか見えないが二体おられる。どうも、昔は石の祠があったようだが破損してしまったようだ。近くにほかの石の破片もいくつか散らばっていた。帰りに、起こしたお地蔵様をそのままむき出しにそこに置いて行こうかとも思ったが、雨や雪でどこかに流されてしまう可能性もあるので、可哀そうだが、元のようにお地蔵様の上にその石でふたをしておいた。これでどこかに行ってしまう心配はないだろう。
 

越前市(領家)側に下りていく峠道

この峠はそれほど使う人がなかったのかその規模は小さい。猫坂という名前も、小さく可愛らい峠という意味で名づけられたのかもしれない。県内にも何件か猫坂という峠がある。その内、福井市美山地区の宇坂大谷町にある猫坂に行ったことがあるが、そこも小さな峠で、脇道的に使われていた峠だった。それでも、越前市(領家)側にはうっすら昔の峠道の痕跡が残っていた。
 

猫坂(越前市側から見る)

 

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猫坂を見下ろす

上記写真は一段上の尾根筋から峠を見たもの、ここから左側(鯖江市側)の斜面にも峠道らしき踏み跡があったので、そこを下りていくことにした。 
 

林道に下りてきた地点

鯖江市側にも最初はしっかりした踏み跡があったが、途中道がはっきりしなくなった。昔はつづら折に道がついていたと思われるが、踏み跡は山の斜面を斜めに直線的に下りて行っている。イノシシの足跡がたくさんあり、それが峠道か獣道か判然としなくなったが、100mも降りて行ったら林道に出た。出てきた所は先ほど尾根に取り付いたところより100mほど朽飯坂のほうに行ったところだった。 
 

林道から猫坂を見上げる

降り立った林道から峠を見上げてみた。標高差にして20mほどだろうが、今の踏み跡を見つけられなければこの斜面をよじ登るのも苦労するだろう。もし、猫坂に行こうという人があれば尾根伝いに行ったほうがいい。朽飯坂から尾根筋を戻ってもいいし、ちょっと距離は長いが樫尾坂から尾根筋に入ってもいい。尾根筋にははっきりした踏み跡があるし、藪や倒木もそれほどではない。晩秋や春先なら、それほどストレスなく歩けるだろう。 
 

樫尾坂にある尾根道入口

車を置いた寺地坂に戻る

上記写真が樫尾坂にある尾根道入口。林道を歩かなくて、ここから尾根を歩いても猫坂・朽飯坂に行けます。これで、河和田地区を取り囲む稜線にあった11の峠のすべてを踏破することができたことになる。

 

 

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