日時

目的地

所在地

2017年5月23日

野波坂(仮称/約510m)

福井市皿谷町/同)野波町

行動日程

峠道(巡視路)入口11:20~11:30堰堤11:30~11:33巡視路分岐11:33~11:40第162号鉄塔11:40~巡視路分岐~11:50第163号鉄塔11:50~12:15第164号鉄塔12:55~13:15野波坂峠13:25~13:45第164号鉄塔13:50~13:55無線中継所13:55~14:05三角点(熊登)14:05~P591~14:35第164号鉄塔14:40~15:05第163号鉄塔15:05~15:30峠道(巡視路)入口

参考資料

Web情報:国土地理院/基準点成果等閲覧サービス(三角点情報)

文献  :

 これまでの山行記録

 

地理院地図を全画面表示で開く

【地図の説明】 この地図はおおよそのルートをトレースしたもので、正確ではありませんので参考程度にとどめてください。最初はOpenCycleMapが表示されますが、地図の右上にあるボタンにポインターを持っていけば「OpenTopoMap」、「地理院地図」、「空中写真(航空写真)」に切り替えることができます。地図上の赤線が今回歩いたルートです。

<<注:赤枠で囲った写真にマウスポインターを当てると、ルート表示や説明が現れます。>>

福井市芦見地区は芦見川沿いに広がる美しい山村だ。昔は芦見村と言い、7集落があった。芦見地区は周りを山に囲まれており、昔は近隣の村と交流するための山越えの道がたくさん存在していた。大野に出る九十九廻坂、勝山市鹿谷にでる芦見峠、永平寺町吉峰寺に出る吉峰坂、美濃街道に出る仁位坂。その他に今回行った野波坂(仮称)と所谷から縫原に抜ける縫原坂(仮称)があった。今回、野波坂と縫原坂に行くつもりだったが、藪がひどく野波坂だけに終わった。なお、野波坂の正式名称が解らないので、この峠を越えたところにある野波集落の名前を取って付けた。

芦見村の古い地図

上図は古い国土地理院地図だ。まだ芦見村となっているので、戦前か戦後すぐのものだと思われる(発行年月日が解らなくなってしまったので省略します)。皿谷を通って野波に行く道がはっきり描かれている。北の勝山市鹿谷地区から芦見峠を通って皿谷に至る道も記されているから、鹿谷から皿谷を通って、美濃街道に至るルートがあったようだ。今回峠に行ってみて、その痕跡が薄かったが、昔は利用価値のあるルートだったのかもしれない。同じように吉峰寺のある永平寺町吉峰から所谷を通って、縫原に至るルートも描かれている。

芦見地区に至る道路(案内板拡大

芦見地区入口となる獺ケ口町内の道は狭いが、芦見地区に入ると広い立派な道が続いている。入ってすぐのところに以前にはなかった芦見地区を紹介する案内板が出来ていた。

皿谷集落

芦見地区の一番奥、皿谷集落にやってくる。ここまで意外に距離があり、芦見地区入口から車で10分以上かかった。

峠道分岐

ここを左に行けば、九十九廻坂トンネルをくぐり、大野に出れる。今日は下から巡視路を歩いて峠にアプローチするつもりだったかが、峠があると思われる方向に林道があったので、そこを進んでみることにした。

林道の様子

林道は舗装されており、走りやすい。道路脇に2台車が停まっていたが。山菜取りの人だった。昔の峠道は今走ってきた林道より一段下の谷川沿いにあったと思われる。

峠(巡視路)入口

林道を車で5分ほど走ると、道が大きくUターンするところがあり、そこに上記のような標識があった。ひとつは鉄塔巡視路の標識で、もうひとつは字が消えてよく読めなかったが、無線中継所登り口・NTTと書いてあるようだ。ここから巡視路を使って峠のある尾根まで行けるはずなので、ここから歩き出す。

巡視路の様子

道は沢沿いに続いていたが、これが元の峠道だと思われる。途中山菜取りの人にお会いした。こんなところで、人に会えるとは思わなかったが、帰りにも山菜取りの人にお会いしたから、このあたりは穴場なのかもしれない。

堰堤

しばらく歩いていくと、堰堤に出た。ここまで林道も上がってきており、先ほどの林道を更に上がってくるとここまで来れたようだ。

巡視路分岐

堰堤脇の道を上がっていくとすぐに巡視路分岐が現れた。標識は162号、163号となっていた。左に行ってみたが、峠に行くには右に行くのが正解だった。

よく整備された巡視路

左の162号鉄塔のほうに行ってみる。巡視路はよく整備されており、歩きやすい。

162号鉄塔

すぐに鉄塔に着いたが、ここから先の巡視路は芦見側に下りるようになっており、逆だったようだ。ただし、この尾根筋を登って行った先に峠があったようだ。昔の峠道は巡視路がある谷を登って行き、途中からこの尾根に取り付き、そこから尾根筋を峠に向かって登って行ったようだ。その尾根筋入口にも踏み跡のようなものがあったが、ひどい藪で、入っていく気にはなれなかった。

163号鉄塔

巡視路分岐に戻り、163号鉄塔を目指すと、10分ほどで鉄塔に着いた。ここの鉄塔を見ると加賀幹線と書かれてあった。

164号鉄塔が見える

更に巡視路を登っていくと、前に164号鉄塔が見えてきた。どうもその鉄塔がある稜線尾根に目的の峠があるようだ。ここからしばらくは木が伐採されており、直射日光が当たって暑い。164号鉄塔までそれほどの距離ではなかったが、暑くてバテてしまった。ここ連日暑い日が続いており、この日も30度を超えていたようだ

白山を遠望

途中から展望が開け、白山が遠望できた。

164号鉄塔

バテバテで164号鉄塔に到着した。ここの鉄塔だけ赤白だ。大きなピークにある背の高い鉄塔は赤白になるようだ。鉄塔下は直射日光が当たって暑いので、一歩下りた木陰で体力の回復を待つ。

ここから東の尾根筋に突入(野波坂側の尾根入口)

今日は野波坂と縫原坂に行くつもりだったが、この尾根筋は雑木林で藪がひどく、距離のある縫原坂は後にし、野波坂のある東の尾根に進む。

尾根道の様子

尾根筋には木々が繁茂し歩きにくいが、はっきりした踏み跡が残っており、藪の濃さとしては5段階評価で3くらいだ。途中、池のような大きなヌタ場があった。

池のようなヌタ場

帰りにヌタ場の当たりを散策したが、乾ききったヌタ場や乾く途中の泥状になったヌタ場などヌタ場がいくつもあった。これほど規模の大きなヌタ場は初めてだ。イノシシの気配はしなかったが、木の幹や枝に乾いた泥が付いており、イノシシがたくさん棲息しているのは確かだ。気持ちのいいものではないのですぐにその場を離れた。

野波坂の峠

藪に突入して15分。峠に到達した。ここには掘れた峠はないが、両側から道が上がってきており、ここが峠に間違いないようだ。大きな木が何本か生えており、また少し広場になっていたからそれなりの雰囲気がある。

野波坂の峠

野波側に下りて行く峠道の跡

野波側の斜面にははっきりした峠道の痕跡があったが、急斜面で道が崩れて、崖のようになったところがあり、下りて行くのは諦めた。

野波側から峠を見上げる

 

皿谷側の峠道の様子

皿谷側のほうは痕跡が薄く、殆ど道だと思われるものは認識できなかったが、こちら側は急斜面を少し下りて行くと、尾根が見えていたから、そこを進んでいたようだ。

西の尾根入口

ヌタ場を見学し、164号鉄塔まで戻ったが、まだ時間があったので、反対(縫原坂)側の尾根を歩いてみる。

人工物

すると、すぐにコンクリートの人工物が現れた。丸い穴が開いたコンクリートの土台があったから、ここにNTTの無線中継所があったのではないかと思われる。

電波塔跡??

 

送信施設跡??

ここまではそれほどの藪ではなかったが、ここから先は藪が濃くなり、5段階評価の4くらいとなり、進むのが遅くなってきた。縫原坂まで行けるとは思っていなかったが、途中にその名も物騒な「熊登」という三角点があるので、そこまで行ってみる気になった。それらしいピークにやってきたが、三角点の標柱は発見できなかったので、さらに尾根筋を進む。藪は一層濃くなってきたが、次のピークまで行って、三角点を探したが見つからなかったので、そこで引き返すことにした。P591まで行ったと思うが、藪がひどく、そこまで到達していたかどうかは良く解らない。

送電線鉄塔が並ぶ

帰り道、鉄塔がきれいに並ぶのが見えた。2本目(162号)の鉄塔がある尾根を右に登って行ったところが峠だ。谷筋を登ってきた峠道は途中から左に曲がり、162号鉄塔がある尾根に到達し、その尾根を歩いて峠に到達していたようだ。

鉄製の橋

162号・163号鉄塔巡視路分岐からすぐのところにある、上記鉄製の橋が架かる沢筋に道があったと思われる。

ここに峠道があったか?

峠道は鉄製の橋がある沢筋を登っていき、途中から左の尾根に取り付いたようだが、橋の上から見た限りその痕跡はなかった。

下に堰堤が見えてくる

巡視路から下に堰堤が見えてくる。この辺りの巡視路が昔は峠道だったようだ。

峠道(巡視路)の様子

芦見地区から美濃街道(JR越美北線が通る谷)に出るには同じ尾根筋を越えていた仁位坂があり、そこがメインに使われていたようだから、峠の痕跡は薄かったが、途中まで巡視路として使われているので、昔の峠道を歩けたのは幸いだった。縫原坂にも行ってみたいが、今日歩いた尾根筋からアプローチするには困難が予想される。途中まで下から林道が上がってきているので、それを利用するしかないようだ。

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