正月三ヶ日は天気が悪く、どこにも出かけなかったので、運動不足を解消しようと出掛ける気になった。2009年の初山行だ(実際には山ではないので初歩きと言ったほうが良いだろうが)。曇り空で、今にも雨が降り出しそうな雲行きだったので、本格的な山行きは諦め、越前自然歩道歩きの続きをやることにした。昨年暮れに、越知山、国見岳辺りのルートを歩いたが、越前自然歩道の出発点となる鷹巣から亀島までの区間を残しておいたので、今回はそこを歩くことにした。この区間は以前に歩いたことがあるが、越前自然歩道の存在を知らないで歩いたので、今回は越前自然歩道の痕跡がないか調べながら歩くことにした。
鷹巣海水浴場 越前自然歩道の基点??
武周ヶ池にあった越前自然歩道のルート地図によると、越前自然歩道は鷹巣海岸(福井市浜住町)から始まっているので、その地点に行ってみたが、越前自然歩道の案内板は残っておらず、鷹巣遊歩道と書かれた案内板があっただけだった。その案内板は鷹巣海水浴場の駐車場の南の端にあり、そこから鷹巣遊歩道が始まっていた。越前自然歩道も同じルートを通っていたと推定されるので、越前自然歩道の基点もここにあったと思われる。
鷹巣遊歩道を進んでいくと、すぐ目の前に小さな岩山が現れ、そこを上って行くようになる。その岩山を越すと、また小さな砂浜がある。そこを100mほど行くと、階段があり、再度小さな山を上って行くようになる。
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階段を上がったところには鷹巣遊歩道と書かれた立派な案内板があった。鷹巣海水浴場の駐車場脇にあった案内板はペンキで手書きされたような質素なものだったが、こちらのほうの案内板は年季は入っているものの、福井県・福井市が建てた立派なものだ。小山を上っていくと海岸線の斜面に造られた小道に出る。海岸線とは言いながら、ここら辺は山道といっても良いような雰囲気を持っている。
崖の上にある鷹巣小・中学校の建物を左に見ながら進んでいくと、ごつごつとした岩が並ぶ海岸線に出る。前に小さな灯台が見えてくると、山道は終わり、和布(めら)町の集落に降りていくようになる。先ほどあった案内板では、鷹巣遊歩道を示すラインは鷹巣漁港の手前で消えていたが、福井市のホームページを見たら、鷹巣遊歩道(鷹巣海水浴場〜国民宿舎)、亀島遊歩道(国民宿舎〜松蔭)となっていたので、ここから集落の中を通って国民宿舎鷹巣荘に至る道も遊歩道に含まれるようだ。
和布の街並と鷹巣(和布)漁港 和布町内にあった案内板
遊歩道は、集落内の細い路地を縫うように走っているため、少し不安になるが、集落内に突然、中部北陸自然歩道の道しるべが現れたので安心した。鷹巣遊歩道の入口には何の表示もなかったが、この道は中部北陸自然歩道にも指定されているのだ。中部北陸自然歩道は越前自然歩道のルートを踏襲していることが多いから、越前自然歩道がこのルートを通っていたという推定も間違いではなさそうだ。
鷹巣漁港
集落の端にある小さな橋を渡ると、鷹巣(和布)漁港だ。漁船がたくさん停泊している横を通って進んでいくと、展望台がある建物(国民宿舎 鷹巣荘)が見えてくるので、それを目標に進んでいく。
国民宿舎 鷹巣荘 鷹巣荘前にあった亀島遊歩道の案内板
鷹巣荘の正面入口にも中部北陸自然歩道の道しるべがあったので、その矢印に従って鷹巣荘の敷地内に入り進んでいくと、亀島遊歩道の案内板が現れた。ここで鷹巣遊歩道は終わりを告げ、亀島遊歩道が始まることになる。
遊歩道は、案内板の横を通り、坂道を降りている。しばらくすると、コンクリートで固められた防波堤の道が現れ、そこを進んでいくと、高い岩山に突き当たり、そこで右折し、海のほうに進むようになる。この辺は高い崖が迫るスリル満点の場所で、以前来た時はこの崖のところを右折するところで通行禁止になっていたが、釣客が入り込んでいたので、私もバリケードを跨いで、中に進入した記憶がある。その後、落石防止の金属ネットが取り付けられたようで、今回は通行できるようになっていた。
そこを少し進むと、小さな橋があり、以前はそこを渡って対岸の島に行けたが、今回は橋の前に通行禁止の看板があった。
亀島
小さな岬のようなところを廻り込むように進んでいくと、目の前に少し大きな島が見えてくる。これが亀島だ。廻り込んだ先の崖沿いの遊歩道も落石の危険があると見えて、すぐ脇に新しい遊歩道が出来上がっていた。
更に奇岩が並ぶ海岸線を進んでいくと、またコンクリート製の防波堤の上の道を歩くようになる。そこを過ぎ、小さな岩山を廻り込んだところが松蔭町だ。そこにも小さな漁港があった。
松蔭町の小さな漁港 東屋のある亀島前広場
遊歩道はここでも漁船が並んでいる脇を通って進んでいる。そこを過ぎると亀島の前に到着。そこは芝生広場となっており、東屋もあった。亀島は目と鼻の先だが、歩いては渡れないようだ。
広場のところから更に海岸線の道を進んでいくと、道の脇には手で積んだと思われる古い石垣が並んでいた。
そこを過ぎれば、以前鮎川のほうから歩いてきた時の終着点だった、中部北陸自然歩道の道しるべのある地点に到達する。ここから、正面に見える崖を上がって国道を横切り、山のほうに歩いていけば、以前歩いた山際の道に到達する。この辺りから少し鮎川側に行った地点から見ると、亀島は本当に亀の姿にそっくりだ(下記左側写真)。
帰りも同じ道を通ったが、鷹巣荘の手前で道が二股になっていたので、海のほうに行く道を進んでみた(上記右側写真)。
道は鷹巣荘の裏庭のようなところを通って、鷹巣漁港のほうに降りていけるようになっていた。
来る時には気付かなかったが、そこにはかなりの釣客がいた。その、おこぼれをもらう腹積もりなのだろうか、黒猫が二匹、釣客のところでたむろしていたが、なぜだかこちらのほうに走ってきた。一匹の猫はひとまわり小さかったから、親子猫のようだ。子猫のほうは本当に人懐っこく私の後を追いかけてきた。野良猫かとも思ったが、民家のところまで来たら、庭のほうに入っていったから、ここの飼い猫かもしれない。毛並みは悪くなかった。
帰りに鷹巣の街中を走っていたら、古い国見岳の案内板があった。場所は鷹巣小・中学校前の道路を少し鮎川側に行ったところだ。かなり古い看板で、越前自然歩道の道しるべかとも思ったが、特にその表示はなかった。この矢印の先には二枚田林道があるので、これは二枚田林道が完成してからのものだと思われる。二枚田林道を使って国見岳に登るルートを教えるための案内板のようだ。結局、今日歩いた区間には越前自然歩道の痕跡は何も残っていなかった。
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