日時

目的地

所在地

2009年5月20日

越前自然歩道(越知山~六所山)

越前町大谷寺~同)茗荷

 行動日程

・六所山登り口14:25~14:30六所・小六所山分岐14:30~14:37林道終点(小六所山登り口)14:37~14:40小六所山(石仏)14:40~14:55無名峠14:55~15:05花立峠分岐(花立峠1.2kmの指標あり)15:05~15:30明るい植林地15:30~15:35小ピーク15:35~(小休止)~16:00越前西部3号線に降りる16:00~(林道歩き)~16:30六所山登り口に戻る

・六所山登り口16:30~(車での移動)~16:40林道途中の展望台16:40~(車での移動)~16:50林道終点16:50~16:53六所山頂上(往復)

・新花立峠17:10~17:15本来の花立峠~17:20新花立峠(往復)

・新花立峠17:20~17:40越知山展望台17:40~18:00新花立峠(往復)

 参考資料

地図:国土地理院2万5千分1地形図 織田(岐阜)

地理院地図を全画面表示で開く

 

注:この地図はおおよそのルートをトレースしたもので、正確ではありませんので、参考程度にお使いください。地図上の赤線が今回のルート(一部、今回歩かなかったが越前自然歩道と推測されるルートを含む)、青線は小六所・六所山へのルートです

昨年暮に越前自然歩道の武周ヶ池~越知山区間を歩いたので、今回は越知山から六所山区間を歩こうと出掛けることにした。目標は越前町にある花立峠だ。花立峠は越知山の南方にある峰続きの峠。福井市内からだと、福井市西安居地区を通り抜け、旧清水町清水畑の交差点を右折し、海(大味方面)に向かう。風尾町で左折し、武周ヶ池に進む。武周ヶ池を通り過ぎ、山の中の狭い道を上がっていくと、新花立峠に飛び出す。武周ヶ池から車で20分ほどだ。

rokushosan01.jpg

中部北陸自然歩道(越知山~越前岬)の指標

rokushosan02.jpg

越前岬方面に向う林道分岐

武周ヶ池から10分ほど走ったところには中部北陸自然歩道の案内板があった。直進する方向には越知山、右に入っていく林道のほうには越前岬と書かれてあったから、ここから花立峠に至る林道も中部北陸自然歩道に指定されているようだ。また、右折する林道を行けば福井市(旧越廼村)城有あたりで広域基幹林道・越前西部3号線に合流。その後詳しいルートははっきりしないが越前岬までの区間が中部北陸自然歩道に指定されているようだ。右折する林道は車でも入けそうだが、草が生い茂っていた。

rokushosan03.jpg

茗荷集落跡(越前町)に一軒だけ残された土蔵

rokushosan04.jpg

(新)花立峠

そこから少しいくと土蔵が見えてくる。この辺りには昔茗荷集落があり、この土蔵だけが一軒残ったようだ。壁板はかなり傷んでいたが、真っ白な漆喰は色あせておらず、みずみずしささえ感じさせる。そこから10分ほど上がっていくと花立峠に着く。道はかなり狭かったが、以前来たときよりは走りやすい印象を受けた。この花立峠は林道が出来てからの新しい峠で、本来の花立峠はここより稜線上を少し南に行ったところにある。

rokushosan05.jpg

全国植樹祭ののぼり

rokushosan06.jpg

新花立峠にあった越前自然歩道の案内板(拡大)

いつも閑散としている花立峠だが、平日だというのにこの日は5、6台の車が停まっていた。また、新しくバイオトイレが出来上がっていたのでびっくりしたが、これは6月に行われる第60回全国植樹祭の一環として建てられたもののようだ。植樹祭は6月7日から、福井市の一乗谷朝倉氏遺跡をメイン会場に行われるが、越前町も協賛しており、この辺も地方会場に指定されているようだ。のぼりの横にはウォークラリーのスタンプ台も用意されていた。その為か、周辺の登山道や古い山道のところどころには最近手が加えられた痕跡が見られた。

rokushosan07.jpg

あずまや(新花立峠)

rokushosan07_1.jpg

六所山(新花立峠より)

ここから北に延びる尾根道を歩けば20分ほどで越知山に行けるが、インターネットで調べたところ、六所山辺りの登山道が荒れているとの情報があったので、先にそちらのほうを片付けることにした。越知山から花立峠を通り、稜線をぐるりと一周し、六所山に至るコースが越前自然歩道に指定されていた(はずだ)。花立峠からは優美な姿をした六所山が真正面に望めた。

rokushosan07_2.jpg

福井平野を望む(新花立峠より)

rokushosan08.jpg

六所山登山口

六所山登山道入口へは車で10分も走れば着く。近くに駐車場がないので、車は少し先に広くなったところがあったので、そこに停めた。右側の山肌には、古い登山道の入口があり、5年位前に来たときはその道を登っていけたのだが、最近全く整備されていないようで、草が生い茂っていた。それで、今回は林道を歩くことにした。この林道は六所山直下まで続いており、後でお話を伺った旧織田町の方によれば、この林道は15年ほど前に整備されたものだそうだ。

rokushosan09.jpg

六所山旧登山口

rokushosan10.jpg

六所山への道標となるお地蔵さん

旧登山道入口の脇にはお地蔵さんが鎮座していたが、これは越知山から1丁(約110m)ごとに立っている道しるべだ。この辺にはたくさんのお地蔵さんや石仏が見られる。

rokushosan11.jpg

小六所登山道の道標

rokushosan12.jpg

五輪塔

六所山登山道と書かれた奥には小六所山登山道と書かれた案内板もあった。また、林道を少し歩くと左側に五輪塔があったが、それほど古いものには見えなかった。

rokushosan13.jpg

道しるべのお地蔵さん

rokushosan14.jpg

小さな池

また、しばらく行くと小さな池があり、そこにも道しるべのお地蔵さんがあった。また、その脇には擬木で造られた階段があったから、ここにも遊歩道がある(あった)のかもしれない。前回旧登山道を歩いたときにもこれと同じような擬木の階段があったから、この周辺の登山道は同じ時期に一度整備されたようだ。

rokushosan15.jpg

六所山・小六所山の分岐点

rokushosan16.jpg

林道終点(小六所山への登り口)

林道を500mほど進むと、道が二股に分かれていた。右に行くのが六所山に行く道に違いないのだが、左に続く林道がどこに続いているのか興味があったので、そちらのほうに進んでみた。すると、10分弱で林道は行き止まりとなり、その奥から山道が続いていたので、そこを進んでみた。

rokushosan17.jpg

小六所山頂(石仏が鎮座)

rokushosan18.jpg

花立峠に至る旧登山道(越前自然歩道)

すると、すぐに2mほどの背丈をした石仏(正面には三界霊位と書かれてあった)がある小広い頂上に出た。特に指標はなかったが、これが小六所山であることは間違いなかった。小六所山に三角点はないが、国土地理院の2万5千分の1地図には標高642mの表示がある。頂上広場の一郭から降りる道があった。かなり薮っぽかったが、真新しい赤い布が木に結び付けてあり、また最近下草を刈ったような跡も見られたので、行けるとこまで行こうとその山道に入っていった。

rokushosan19.jpg

小さな峠

rokushosan20.jpg

花立峠への分岐点

薮がひどく、一般的な登山道ではないが、かなり踏まれており、またところどころ笹が刈ったところがあり、それほど歩きにくい道ではない。赤い布のマーキングもずっと続いていた。途中2箇所ほどピークがあり、その鞍部には峠のようなところもあった。特に二つ目の鞍部には尾根道と交差する峠道がはっきり解かった。地図にも破線の道が描かれているから、ここにも古い峠道があったのは間違いないようだ。地図を見ると、この辺りで茗荷から上がって来る道や笈松から上がって来る道、それに六所山に至る山道が交差しており、それらしい掘られた道も何本か確認することが出来た。小六所山から30分ほど歩くと、三叉路の分岐点が現れた。

rokushosan21.jpg

分岐点にあった指標

rokushosan22.jpg

薮の中の道が続く

そこには『花立峠1.2km』と書かれた指標があり、その横には錆びた案内板があった。この案内板は錆がひどく、殆ど読めなくなっているが『いこいの森』と書かれた文字がかすかに読み取れた。ここから少し南に下がったところには『悠久ロマンの森』や『県民いこいの森』があり、この周辺もそれらの自然公園に指定されていたようだ。15年ほど前(平成6年ころ)のこの地点の写真が福井県自然保護センターのホームページに載っていたのでご紹介します。福井県自然保護センターのホームページ・トップはこちら。ここに来て、どちらに進んで良いのか全く解からなくなってしまった。六所山は花立峠とは全く逆なので、花立峠と書かれた方向とは逆のほうに進んでみたが道はすぐ下を走る林道に降りているようだったので、引き返し花立峠と書かれた方向に進むことにした。ここから道はますます歩きにくくなってきた。ここまでは赤い布のマーキングがあったが、その表示もなくなってしまった。

rokushosan23.jpg

植林地に出る

rokushosan24.jpg

明るい尾根道を進む

ここまではほぼ稜線上を進んでいたが、途中から道が一旦下りになり、全くどこを歩いているのか解からなくなった。この日はリュックを忘れ、地図もコンパスもなかった。ここら辺りは古い山道が交差しており、どこに進んでいいのか解からない。それでも、山道のところどころには擬木の階段がつけられていたから、その道を踏み間違えないように進んでいったら、明るい植林された杉林に出た。その先の尾根上に踏み跡が続いていたので、そこを進むことにした。そうしたら、小さなピークが現れたので、それが六所山かと思い進んでいったが、そうではなかった。少し展望が開けたところがあったので、周囲を見渡したところ、はるか向こうに六所山と思われるピークが見えたのだ。ここに来て、全く違った方向に歩いてきたのではないかと気づいた。

rokushosan25.jpg

小さなピーク(標高約610m)

rokushosan26.jpg

下の林道(越前西部3号線)に降りる

小さなピークにたどり着いたが、そこから先は殆ど道らしい道もなかったので引き返すことにした。幸い、山仕事をしている人がいたので道を聞いたところ、やはり六所山は全く逆方向だった。今歩いてきた尾根道を進めば花立峠に到達していたのだ。すぐ下には舗装された林道が見えていたのだが、その林道がどの林道かも解からなくなっていたが、その人に聞いたら、その林道は先ほど車で走って六所山登山口のほうに向かった林道(越前西部3号線)だということが解かったので、林道に降り、六所山登山口に引き返すことにした。山仕事をしていた方は旧織田町の方で、この辺の山を所有しているということだった。最近定年退職し、今は天気がいいと山に出ているという。この方は越知山から六所山に続く登山道を福井大学のワンダーフォーゲル部が開発していた当時(登山道整備は昭和33年から昭和36年まで行われた)のことを知っていた。先ほど通った峠辺りを整備していたのを良く覚えているという。その方からその峠の名前を聞いたのだが度忘れしてしまった。この道は越前自然歩道にも指定されていたはずで、道に迷ったのが幸いし、偶然越前自然歩道を歩くことが出来た。今は薮になっているが踏み跡はしっかりしており、昔はかなり歩かれた道だったようだ。

rokushosan27.jpg

林道脇に並ぶお地蔵さん

rokushosan28.jpg

林道途中の展望台

越前西部3号線を歩いて六所山登山口まで戻った。既に4時半近くになっていたので、今度は徒歩ではなく車で林道を行けるところまで行こうと言うことになった。今度は、六所山・小六所山の分岐点(上記NO.15の写真の地点)で右折。林道を進むと共に草丈が高くなってきた。背の低い私の車では底を擦ったが、道は以前来た時とは荒れていなかった。道の脇にはところどころにお地蔵さんが並んでいた。

rokushosan29.jpg

ここにも道標となるお地蔵さんが

rokushosan30.jpg

展望台から日本海方面を望む

林道途中には、ベンチ付きの展望台があり、日本海まで見渡せた。ここにも何丁と書かれた道しるべのお地蔵さんがあった。

rokushosan31.jpg

林道終点(六所山直下の駐車場)

rokushosan32.jpg

六所山への登り口

結局、六所山直下の林道終点まで車で来てしまった。林道終点には4、5台車が停められるスペースがあり、その脇の斜面に六所山頂上への登り口があった。

rokushosan33.jpg

藪に覆われた登山道

rokushosan34.jpg

六所山頂上

登山道は潅木に覆われていたが、踏み跡はしっかりしており、2、3分も歩けば頂上についてしまった。頂上は広場になっているものの、草や潅木が伸び放題になっており、狭い。しかし、インターネットで調べた情報ほどには荒れてはおらず、ほっと胸をなでおろす。

rokushosan35.jpg

六所山の指標と三角点

rokushosan36.jpg

三角点横の石仏

頂上には『六所山、標高:698.3m』と書かれた質素な指標と三角点が置かれてあった。ここの三角点は二等三角点で、『点名:六所山、標高:698.30m、所在地:福井県丹生郡越前町大字茗荷34号字六所山1 俗称 元別山』となっている。俗称が元別山となっているように、六所山は元は越知山の別山で、修験者の修行の山だった。なお、六所山をそのまま読めば、『ろくしょさん』で、私も今までそう読んでいたが、緑青ヶ嶽・六升山とも書かれるように、本来は『ろくしょうざん(やま)』が正しく、そちらの呼び方を採用したい。前記、福井県自然保護センターのホームページでもローマ字表記は『Rokusyouzan』となっている。

rokushosan37.jpg

三角点裏のお地蔵さん(道しるべ)

rokushosan38.jpg

林道のり面に現れた旧登山道

頂上にあった石仏の中には何丁と書かれた道しるべのお地蔵さんもあったが、五十何丁と書かれたものと六十丁と書かれたものがあったから、道々あったお地蔵さんも元々はそこにあったものではないようだ。越知山からここまで大体6kmくらいだから、六十丁(1丁は約110m)という表記は計算が合っていることになる。帰り道には旧道に注目しながら走ったが、林道ののり面やその上の尾根に旧登山道が見え隠れしていた。この道は昔の修験の道であり、福大生が開発した道であり、かつ越前自然歩道もここを通っていたと思われる。

rokushosan39.jpg

尾根筋を旧登山道が走る

rokushosan40.jpg

本来の(旧)花立峠への入口

六所山から取って返し、再び花立峠へ。新花立峠の南側には『ぶなの森』と書かれた登山道入口があるが、ここを入っていくと、すぐに本来の花立峠に至ることが出来る。ここは旧織田町笈松から茗荷へ至るときに通らなければならない峠であり、織田方面から越知山へ登るときにも必ず通った古い峠だ。

rokushosan41.jpg

本来の花立峠

rokushosan42.jpg

花立峠の石仏

花立峠に小さな木の祠があり、その中にはたくさんの石仏があった。六所山の登山道脇にあったのと同じく、頭のところに何丁と書かれたお地蔵さんも何体かあったから、昔の山道の脇にあったお地蔵さんがここに集められたのだろうと思われる。

rokushosan43.jpg

越前町(旧織田町)笈松に至る峠道入口

rokushosan44.jpg

六所山に至る旧登山道(越前自然歩道)

今歩いてきた尾根道と十字に交差するように昔の峠道も残っていた。西のほうからは旧織田町の笈松から上がってくる道があった。逆の茗荷のほうにも道は降りているが、すぐそばを林道が走っているため、茗荷に至る旧道跡は解からなくなってしまっている。六所山に至る昔の山道も少しだけ残っており、歩くことが出来るが、この日は割愛した。

rokushosan45.jpg

旧登山道は一旦林道に降りる

rokushosan46.jpg

旧登山道は再度山の中へ

この道を六所山のほうに進めば200mほどで一旦下の林道(越前西部3号線)に合流し、再度尾根のほうに上がっていくようになるが、そこを進んでいけば先ほど到達した小さなピーク(標高約610m/上記No.25の写真)のところに出るはずだ。

rokushosan47.jpg

越知山に至る登山道入口(越前自然歩道)

rokushosan48.jpg

越知山に至る登山道

まだ、時間があったので昨年暮れに歩いた越知山の展望台まで行ってみることにした。越知山に至る登山道は新花立峠のバイオトイレの前にある。入口付近は以前来たときよりきれいになっていたが、これも植樹祭を期に整備したもののようだ。

rokushosan49.jpg

ブナ林の中を登山道は進む

rokushosan50.jpg

登山道脇のお地蔵さん(道しるべ)

ブナ林の中の登山道も以前よりきれいになっており、気持ちよく歩くことが出来た。この道も昔の修験道であり、道の脇には道しるべとなるお地蔵さんが何体か残っていた。

rokushosan51.jpg

駐車場脇にあった道しるべ

rokushosan52.jpg

越知山直下の駐車場

20分ほど歩くと広い駐車場に飛び出し、その奥の道を上がっていけば2、3分で越知山展望台に着く。

rokushosan53.jpg

越知山へは駐車場奥から登る

31.jpg

越知山展望台

展望台から先は昨年暮れに歩いているので、ここから花立峠に戻った。ここから越知山方面の情報を知りたい方は越前自然歩道(武周ヶ池~越知山)の項をご覧ください。


Back ホームへ

inserted by FC2 system